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保守派が道州制を応援する愚かしさ (柴山桂太/ 電子マガジン 言志 Vol.2)

●言志 Vol.2-日本を主語とした電子マガジン 380円(税込)
( http://p.booklog.jp/book/55317 )

Vol.1は、創刊特別の無料期間で読んじゃいましたが、
今回は購入して読みました。

380円で豪華な執筆陣ですので、
是非、お奨めです。

【保守とはなにか?】
について、とても考えさせられます。


「大阪維新の会」が躍進し、
民主党、自民党のトップが変わるタイミングですので、
頭を整理するうえでも、とても役に立ちました。


私の大好きな先生も、イカしたタイトルで寄稿されています。

=========================

・戦後日本を保守してきた「保守派」たち 東谷暁

・イデオロギーからソリューションへの転換を 三橋貴明

・保守点検を怠るな! 中野剛志

・保守派が道州制を応援する愚かしさ 柴山桂太

・使い終わったはしごは捨てろ 藤井聡

・保守の道義は「活力・公正・節度・常識」 西部邁

・「保守」とは何か――占領利得を墨守する「戦後保守」 小堀桂一郎

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この中でも、柴山桂太先生(滋賀大学准教授)の
【保守派が道州制を応援する愚かしさ】は、

とてもわかりやすく共感しました。

特に、共感したのが、

【社会を根本から改造してしまうという点では、
  共産主義も新自由主義も大差はない。】

というフレーズです。


本当は全文をコピペしたいところですが、(笑)
有料の雑誌なので、是非、ご購入ください。

こちらから↓

●言志 Vol.2-日本を主語とした電子マガジン 380円(税込)
( http://p.booklog.jp/book/55317 )



【保守派が道州制を応援する愚かしさ (柴山桂太)】

を、だましだまし、要約をコピペ引用すると、


~~(引用はじめ)~~

・先の総選挙では、自民党も民主党もマニフェストに道州制の実現をうたっていた。


・現在、盛んに道州制を訴えているのが大阪維新の会であり、
 少なくない数の、保守派と呼ばれる人々が応援しはじめているのである。


・しかしなぜ道州制が必要なのか、その理由が私にはさっぱり理解できない。


・今の欧州で起きている出来事を見れば、道州制がいかに危険な政策であるか、
 すぐに分かるはずなのである。


・道州制論者にはいろいろなタイプがいるが、

  大きく言えば、通貨や軍事のような国家の基本に関わる部分だけを中央政府に残し、
  残りの大部分を(新たに創設する)州政府へと移譲するという考え方だ。

 【とりわけ財政については地方の裁量を増やし、できる限り分権化を進める。】

  これが道州制の基本的アイデアである。

  積極的に提唱しているのが
  【東京や名古屋、大阪といった大都市圏の政治家であること】を見ればわかるように、
  自分たちの地域であがった税収を、
  もっと思い通りに使わせてくれ、という要求が背景にある。


・しかし、通貨の統一を維持したまま財政を分権化すると何が起きるのか。
  その分かりやすい失敗事例が、ユーロ圏である。


・ユーロ圏では通貨が固定されているため、
  この10年で地域間の経済力の格差がはっきりと開いた。


・例えば貿易で見るとドイツが黒字を積み増す一方で、
  イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャのような南欧諸国は赤字を拡大させている。


・ユーロ経済全体が好調な時には、この不均衡は問題にならなかった。
  ドイツなどから資本の流入があるためだ。
  イタリアやギリシャでは、低金利で大量の国債を発行することができた。


・しかし、ユーロ・バブルが弾けて資金の流れが止まると、
  これらの国はとたんに資金不足に陥る。

 そして財政力のないギリシャから、破綻へのカウントダウンが始まっているのである。


○道州制は日本をバラバラにする


・道州制を採用すれば、(ユーロと)同じことは日本でも起きる。


・経済力のある関東州では、貿易黒字も増えて税収も増えるだろう。


・他方で、経済力が低く人口も少ない、
 例えば四国州では、貿易や財政の赤字が恒常化していくだろう。


・景気のいいときは、この不均衡は問題にならないかもしれない。


・しかし、ひとたび景気が悪くなると、とたんにこの格差が問題化する。


・そして今ユーロ圏で起きているような、ドイツと南欧諸国の対立が、
 今度は関東とそれ以外の地域で繰り返されることになるのだ。



・ここで気になるのは、道州制論者がすぐにアメリカのような連邦制国家を参照したがる点だ。


・アメリカが連邦制でうまくやっているのだから、
 日本で道州制ができないはずはない、というのである。


・しかし、連邦制にするなら、地方の役人をもっと増やさなければならない。


・これは当たり前のことであり、事実、
 【地方公務員の数は日本よりもアメリカの方がずっと多いのである。】


・国家公務員は非効率だが、地方公務員は効率的に働くとでも言うのであろうか。


・国家行政で起こる非効率は、今度は道州というミニ国家でかたちをかえて起こるだけである。


・加えて20世紀以降のアメリカは、
 連邦制の弱点を補うために中央集権をむしろ強化してきたという歴史を忘れるべきではない。


・リーマンショックのような危機が起きてもEUのような分裂が起きないのは、
 連邦政府が必死になって財政支援をしているからだ。


・オバマ政権は今、日本のような国民皆保険制度を導入しようとしているが、
 これも連邦政府が主体となって行っている改革である。


・EUでも、この危機を乗り切るために政治統合を進めなければ、と大あわてだ。


・どの国も、
 このグローバルな危機を乗り切るために中央政府の権限強化を図ろうとしているのである。


・【こうした動きに逆行しようとしているのが日本である。】


・道州制は、ただでさえ存在する日本国内の地域格差を広げるばかりでなく、
 中央政府の権限を弱めることで、いざ危機が起きた時の政府の危機管理能力を引き下げてしまう。


・グローバルな経済危機が頻発する時代に入り、国家の団結を強化すべき時期に、
 国家をバラバラに分断する政策が人気をとっている。それが日本の現状なのである。


●保守の敵は共産主義だけではない


・問題は、こうした国家を分断する愚かな政策を応援しているのが、
 【もっぱら保守派と呼ばれる人々だという点である。】


・保守派とは、本来、国家の独立を守ることを何よりも優先すべきはずの立場である。


・とくに外交や軍事においては、
  外国の不法な干渉
  ――例えば、このところ盛んに行われている竹島、
  尖閣や北方領土に対する韓国、中国、ロシアの領土侵犯――
  に対して強く反対の声を上げる。


・しかしこと内政となると、道州制に賛成したり、
 「グレート・リセット」と称して国家の歴史を白紙に戻すような政策に肩入れしてしまう。
  これは、いったいなぜなのだろうか。


・保守の定義はさまざまあるが、一般には、革新との対立において理解される。


・進歩を旗印に、国家のあらゆる制度を改造していくのが革新(進歩派)だとすれば、
 それによって失われる大事なものを守ろうとするのが保守派である。


・かつてイギリスの哲学者オークショットは、

 革新派を「未来という鏡で拡大された骨を欲しがるあまりに、
 いまくわえている骨を落としてしまう」愚かな犬にたとえたが、
 保守はこうした子どもっぽい態度から一線を画する大人の生活態度であり、思想である。


・冷戦時代には社会主義や共産主義が革新勢力であった。
 だから保守はすなわち反共であった。


・しかし革新勢力は何も社会主義や共産主義だけではない。


・冷戦が終わると、今度は新たな革新が登場した、
 その事実にもっと目を向けるべきだろう。


・自由主義の美名のもとに、規制緩和や構造改革をラディカルに推し進めて、
 日本社会を抜本的に改革しようとする新手の革新勢力だ。


・それをグローバリズムと呼んでもいいし、新自由主義と呼んでもいいが、
 ともかくこうした新手の革新運動こそ、
  この20年間の一連の改革を主導した当のものであり、
  そしてこれから、道州制を推し進めようとしているのである。


・戦後の保守派は、反共にはきわめて敏感だが、
 もう1つの革新勢力には警戒心がとぼしいどころか、
 むしろ時代の必然だと言わんばかりに積極的に受け入れようとする傾向にある。


・「ソ連型革新」については強い拒否反応を示しても、
 「アメリカ型革新」にはどういうわけか免疫がないのである。


・【しかし社会を根本から改造してしまうという点では、
  共産主義も新自由主義も大差はない。】


・道州制は下手をすると、ギリシャ危機を日本に再現してしまう。


・そうなったら目も当てられない。
 最悪の場合、赤字州の州債を外国(例えば中国)が肩代わりするという事態もあり得るのだ。


・道州制は、国家の独立を危険にさらしてまで進めなければならない政策では毛頭ない。


・【外国の領土侵略に強く憤るなら、同じくらいの熱量で、
  国家を分断しかねない道州制にも反対すべきなのだ。】


~~(引用おわり)~~

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(「道州制、絶対反対!!」の拙ブログ参考)


●【絶望のスペイン】スペイン版道州制の二州が事実上の破たん。
 で、日本も道州制をしたいの?
http://ameblo.jp/nippon-no-hokori/entry-11340697874.html


●「みんな」が、小泉改革の時も民主党の政権交代選挙の時も「間違って」きた。
 「道州制・地方主権」も
http://ameblo.jp/nippon-no-hokori/entry-11319129609.html


●【必見】スペイン地方政策省の次官
 「スペインの地方分権は過ちだった」との見解を示す
http://ameblo.jp/nippon-no-hokori/entry-11310549191.html


●【中野剛志】道州制導入論の誤り(毎日新聞)
  地方には通貨発行権はないので、デフォルトがあり得る
http://ameblo.jp/nippon-no-hokori/entry-11269699747.html


●オオサカ栄えて国滅ぶ、橋下政策
 「世界の流れは地方分権でなく、中央集権!?」
http://ameblo.jp/nippon-no-hokori/entry-11189726958.html


●この国難の時代に
 『中央政治をぶっ壊す』的なノリの「大阪維新の会」でいいの? (藤井聡)
http://ameblo.jp/nippon-no-hokori/entry-11144883401.html



是非、「言志 Vol.2-日本を主語とした電子マガジン」をどうぞ↓

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●言志 Vol.2-日本を主語とした電子マガジン 380円(税込)
( http://p.booklog.jp/book/55317 )

【今号の目次】

(巻頭言)
尖閣諸島に上陸して見たこと …水島総

(グラビア)
尖閣上陸報告写真集
・尖閣上陸者インタビュー ≫水島総 ≫伊藤祐靖 ≫浅野久美
・尖閣上陸議員ビデオレター ≫鈴木章浩 ≫小坂英二 ≫小嶋吉浩 ≫和田有一朗
・尖閣問題から日本国民の“目覚め”を 水島総×栗原弘行(尖閣諸島地権者親族)

(写真)李明博竹島不法上陸抗議行動
(写真)あの暑い夏の日…靖国行進とフジテレビデモ1周年

(今号のコラム)
戦後日本を保守してきた「保守派」たち 東谷暁
「吉田体制」に潜む3つの欠陥 伊藤貫
あんた、保守の何なのさ? 佐藤健志
入水前に言い聞かせたこと――頂きの国旗に託した真の思い 伊藤祐靖
イデオロギーからソリューションへの転換を 三橋貴明
保守点検を怠るな! 中野剛志
日韓連帯の崩壊 李明博が盧武鉉を超えた日 三浦小太郎
日本には血と屍が足りない 倉山満
日本復活の道は「従米から神道」である 山村明義
政権交代の正と負 渡邉哲也
戦後保守からの超克とは韓国との離別である 古谷経衡
保守派が道州制を応援する愚かしさ 柴山桂太
南アフリカのスラムで考えた日本“覚醒”への道 大高未貴
保守は「正しいイデオロギー」を信じない 上念司
「死刑になるくらいで、やめるのか」  葛城奈海
敗戦「継続」国日本、覚醒せよ 坂東忠信
使い終わったはしごは捨てろ 藤井聡
追従とソロバンの「戦後保守」をただせ クライン孝子
保守の道義は「活力・公正・節度・常識」 西部邁
「保守」とは何か――占領利得を墨守する「戦後保守」 小堀桂一郎
ニヒリズムに堕ちた「戦後保守」 井尻千男
取返しのつかない自民党の罪過 西尾幹二
8月15日の座頭市 水島総

(討論)
謀略天国日本
宇田川敬介 柏原竜一 菅沼光弘 石平
瀧澤一郎 福山隆 山村明義 水島総


(国会議員ビデオレター)
尖閣諸島視察報告、領土防衛への公約 新藤義孝
尖閣の海、失ってはならない開拓の魂 山谷えり子
民主党の不義、首相問責決議案提出後の展望 西田昌司
尖閣諸島、蜃気楼のような実効支配 長尾たかし
尖閣不法侵入、露呈した民主党の売国体質 宇都隆史

(キャスターコラム)
今週のご皇室 …高清水有子
感々学々 …鈴木邦子
ズバリ文化批評 …富岡幸一郎
明るい経済教室 …三橋貴明
早い話が… …小山和伸
メディアの嘘を見抜け …上念司
断舌一歩手前 …三輪和雄
撫子日和 …佐波優子
ニュースの読み方 …西村幸祐


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  1. 2012/09/12(水) 17:29:11|
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