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デフレ時に法人税を下げても、企業は内部留保するだけ。企業は200兆円もの「現預金」

いわゆる新自由主義的施策の一つに
「法人税減税&富裕層減税&消費増増税」というものがあります。

デフレ期にそれをやっため、
ダメというの再認識できる記事です。


是非、どうぞ↓


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■法人税と消費税
三橋貴明さんのブログ 2012-07-10 10:16:27
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11298867705.html


(引用はじめ)
 藤井聡先生が新著「コンプライアンスが日本を潰す (扶桑社新書) 」の中で書いていらっしゃいますが、いわゆる新自由主義的施策の一つに「法人税減税&富裕層減税&消費増増税」というものがあります。法人税や富裕層に減税し、「投資」を増やすことで経済を成長させる。とはいえ、減税分の補てんが必要なので、「市場」から徴収できる消費税でカバーするという、いわゆるトリクルダウン理論に基づく施策です。

 このトリクルダウンが実際には成り立たないことは、すでに何度も解説してきましたが、日本と米韓(その他)では、「トリクルダウン理論」が成り立たない理由が違います。米韓は、ご存じの通り「グローバル株主資本主義」が成立しており、特に韓国の場合は法人税を引き下げて配当金を増やしても、それはグローバル資本家に所得として分配されてしまうのです。外国人の懐をどれだけ潤したところで、そのお金が「投資」に回るかどうかは未知数です。(参考「グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本 」)

 また、アメリカの場合は法人税引き下げで増えた利益が株主への配当金はもちろん、「経営者報酬」をも膨らませる結果になりました(韓国の場合は、オーナーへの配当金)。従業員の平均給与と経営者報酬が三百倍、四百倍も開いている資本主義国が、まともな(というか、維持可能な)資本主義だとは思えません。


 一部の経営者、株主が法人税引き下げで恩恵を受ける米韓などと異なり、日本はそれほど所得格差は開いていません(ソニー、日産などは例外)。とはいえ、例えば現在の日本が法人税を引き下げたところで、やはり米韓同様に投資に回ることは無いでしょう。理由は、デフレで投資先がなく、
「投資をしても、損をする」
 状態だからです。結果的に、黒字企業が利益剰余をどうしているかというと、「預金」です。


【図 日本の現金・預金の保有者シェア 2011年末(速報値) 単位:兆円 】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_37.html#JPYokin


 今や日本は家計のみならず、企業までもが内部留保の現預金を増やしていく有様になっています。まさに、中野剛志氏ではないですが、「資本主義が成り立っていない」状況なのです。何しろ、資本主義とは企業が融資と投資を増やし、成長するのが基本モデルです。何が悲しくて、企業が200兆円もの「現預金」をため込まなければならないのでしょうか。(無論、デフレのためですが)

 というわけで、デフレ期の国で法人税減税は、企業の投資拡大には貢献しません。しかも、現在の日本企業は七割が赤字ですから、法人税を引き下げたところで三割の黒字企業のみが「得」をします。

 そして、ここが重要ですが、誰かが「得」をしたとき、必ず反対側で誰かが「損」をしています。法人税引き下げの場合は、政府、ではなく「国民」です。単純に法人税を引き下げるだけでは、デフレ下の日本の場合は企業の財産(現預金)を増やし、その分を「誰かが負担する」という形にならざるを得ません。というわけで、国民「みんなで」負担しましょう話に(なぜか)なってしまい、消費税増税が日本を含め、世界各国(特に欧州)で行われてきたわけです。

 ちなみに、日本では現在は消費税増税について「社会保障の財源」というお題目になっていますが、あれは本来は「法人税引き下げ分の補てん」なのです。とはいえ、さすがにそんなことを言った日には国民の反発を買いますので、「社会保障」という大義名分を立てているわけです。

 そもそも、デフレ期の増税は名目GDPを押し下げ、税収を減らすので論外ですが、特に消費税はダメです(逆進性やスタビライザーとしての機能がない問題があるため)。というわけで、現在の法案が通った場合、わたくしは来年の秋(消費税アップの決断を政権がする時期)まで、しつこく消費税アップ反対の運動を繰り広げていくことになるわけですが、それはともかく、欧州の一部で上記の「法人税減税&富裕層減税&消費増増税」パッケージに明確に反対する人物が出てきました。そう、フランスのオランド新大統領です。

『どうなる公約、「成長」か「緊縮」か オランド仏政権
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120707/erp12070720560007-n1.htm
 フランスのオランド政権が難しいかじ取りを迫られている。会計検査院の指摘を受け、財政健全化の目標達成のために一層の財政緊縮が必要となったからだ。政権は銀行や大企業への課税強化などを中心に財源を確保して、「成長重視」という大統領選での公約を堅持したい考えだが、財政規律とのバランスをどう取るかが注目される。
 フランスの会計検査院は2日、13年の財政赤字を国内総生産(GDP)比で3%に抑えるという目標達成のためには、12年予算で最大100億ユーロ(約9800億円)、13年に330億ユーロの財源を新たに確保する必要があると指摘した。
 背景には債務危機で予測した経済成長が見込めなくなったことがあり、政府も3日、12、13年の成長見通しをそれぞれ引き下げた。
 オランド政権は4日、検査院の指摘をふまえて今年の補正予算案を閣議決定した。富裕層に対する増税や銀行、大企業への課税強化で歳入を72億ユーロ増やす一方、15億ユーロの支出凍結を盛り込んだ。一方、サルコジ前政権が10月の実施を決めていた付加価値税引き上げは撤回した。(後略)』

 フランスも、定石通り「法人税&富裕層減税+消費税(付加価値税)増税」といった新自由主義チックな政策を強いられていたわけですが(サルコジ大統領によって)、サルコジ時代から反省の声が起っていました。

【参考】保護主義というタブー (ルモンド紙)
http://www.diplo.jp/articles09/0903-4.html

 わたくし個人としては、別に「法人税&富裕層減税+消費税増税」を政府がやっても構わないのです。但し、それが国民経済の成長(国民所得の拡大)に結びつくのであれば。

 とはいえ、現実にはデフレ下で上記を実施したところで、富裕層や企業の「預金」を増やし、国民の可処分所得を減らし、デフレを深刻化させるだけの話です。というか、デフレ期に、
「企業を豊かにすれば、投資が増え、国民経済が成長する」
 と、トリクルダウンを信じ、レッセフェールを貫き、アメリカのGDPを半分にしてしまったのが、まさに大恐慌期のアメリカ財務長官アンドリュー・メロンなのです。何が悲しくて、80年前にアメリカでカタストロフィを起こした政策を、現代の日本でわざわざやらなければならないのですか、という話です。

 要するに、話はシンプルです。
「環境が変われば、正しい解決策も変わる」
 というだけの話なのですが、現在の日本にはイデオロギー的に経済政策を語る人がゴロゴロしています。彼らを黙らせるには、「政治家」を変えるしかありません。

 野田総理はようやく「解散」や「解散の条件」について口にし始めました。選挙が近付いてきています。そして、選挙が近い時ほど、政治家が国民の声に耳を傾ける時期はないのです。


(引用おわり)





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